特殊清掃業者とは?費用や失敗しない業者選びを元清掃業者がレクチャー

特殊清掃業者とは?

特殊清掃とは
孤独死をはじめヒートショックや火災、自死、事故、事件などによる遺体の発見が遅れたケースで、現場となった部屋に残っている痕跡を取り除き、現状回復する目的で行われる清掃作業のことです。

遺体が長時間放置されていた室内は、通常の清掃やハウスクリーニングだけでは汚れや臭いを十分に取り除くことができません。

専用の薬剤を用いて、専門のノウハウを持つプロとして、こうした部屋の清掃にあたるのが特殊清掃業者です。

この記事では、特殊清掃業者に依頼した際にかかる費用や失敗しない業者選びについて、元清掃業者の僕がわかりやすく解説します。

サービス内容

特殊清掃の具体的なサービスは、主に次の5つです。

1.汚れやシミの洗浄・清掃

時間や日数が経過してから遺体が発見された室内には、壁や床などに血液や体液、腐敗した生ゴミなどの汚れが残っています。
遺体が腐敗すると、筋肉の弛緩によって体内から糞尿が漏れ出したり、液状化した内臓が破れた皮膚から流れ出していることもあります。
特殊清掃業者は、そのような汚れを雑巾やブラシなどを使って丁寧に取り除き、原状回復していきます。

2.除菌・消臭

壁や床以外に、血液や体液などの染み付いた寝具や家具も片付けます。
様々な悪臭は、オゾン脱臭機など専門の機材や業務用の薬剤を使って、徹底的に除去します。

3.害虫の駆除

特殊清掃の現場では、腐敗した遺体や生ゴミにハエやゴキブリなどの害虫が発生しているケースが多く見られます。
殺虫剤を用いて部屋の隅々まで駆除するのも、特殊清掃業者のサービスのひとつです。

4.遺品整理

特殊清掃業者は、特殊清掃と並行して遺品整理にも対応します。
室内に残された故人の遺品は、形見と不用品とに仕分けされます。
汚れや腐敗臭がついたものであっても、特殊清掃のノウハウを活かしてきちんと対応すれば、形見として保存することが可能となります。

5.リフォーム

室内の汚れの程度や範囲によっては、清掃だけでは対応が困難なケースもあります。
その場合、壁紙の貼り替えや床のフローリングの交換など、必要に応じて適宜リフォームを行います。

ハウスクリーニングとの違いは?

特殊清掃と混同されがちなのが、ハウスクリーニングです。

ハウスクリーニングとは
キッチンや床、浴室などに付着している油汚れやカビなど、普段はなかなか掃除が行き届かない場所の汚れを綺麗に落とし、快適で住みやすい住空間を維持することを目的に行われます。

特殊清掃の費用・料金相場

特殊清掃業者に清掃作業を依頼した場合にかかトータルの費用は、部屋の間取りの広さや不用品の量、死後どのくらいの時間が経過しているかによっても大きく変わってきます。

また、特殊清掃にかかる作業別の料金相場についても同様で、業者によって様々です。

注意
一般的に、遺体が発見されるまでの日数が長かった部屋を放置すればするほど、消臭をはじめとした作業にかかる時間を要するため、料金が高くなります。

次の表に挙げたのはあくまでも一例ですが、費用・料金それぞれの相場の参考にしてください。

間取り別のトータル費用
【A社】
死後3週間で発見された場合
間取り 特殊清掃時間 消臭時間 料金
1DK 4時間 48時間 60,000円
1R 2.5時間 72時間 95,000円
【B社】
間取り 料金
1K~1R 78,000円~
1DK 135,000円~
【C社】
遺品整理と特殊清掃/1Rマンション
・作業人数:3名
・作業期間:4時間
・金額:145,000円
サービス別の料金
サービス内容 作業費用
床の特殊清掃 30,000円~
浴室の特殊清掃 30,000円~
オゾン脱臭 1日 30,000円~
消臭剤・除菌剤の散布 10,000円~
汚れた畳の撤去 1枚:3,000円~
作業員の人件費 1名:20,000円~

失敗しない特殊清掃業者の選び方

遺体の腐敗臭や体液や血液などの汚れは、確かな技術を持った専門業者が適切に清掃作業を行わなければ、完全に取り除くことができません。
ここからは、失敗しない特殊清掃業者の選び方について、元清掃業者の知識を踏まえてお伝えします。

①特殊清掃員に関する資格を持っている

特殊清掃員になるために必須の資格はありませんが、特殊清掃員の知識や技術に関する資格として、次の2つが挙げられます。

事件現場特殊清掃士

事件現場の清掃に関して知識と技能・心構え、除菌・消臭など清掃の方法、感染症予防症などについて、総合的な知識を持つ。

脱臭マイスター

通常の清掃では落とせない部屋の脱臭について、専門知識を有している。

これらの資格保持者は、一定の知識を持っている目安となります。

熱心に学んでいるスタッフや、現場での作業実績が豊富なスタッフの揃った業者を選びましょう。

②安すぎる業者は選ばない

費用・料金が安い業者は魅力的に見えますが、安すぎる業者は作業の質が落ちる可能性が高いのでおすすめできません。
作業内容の質に見合った適正価格の業者を選びましょう。

③見積書に書かれている費用内訳と作業内容を確認

特殊清掃にかかる費用は、ケースバイケースです。
正確な料金を知るためには、訪問で見積もりをしてもらい、口頭でのやり取りだけで終わらず、必ず書面で見積書を受け取ってください。

また、もらった見積書に書かれている費用内訳と作業内容について、曖昧な点や疑問点を残したままにせず、理解・納得できるまで質問してよく把握することが重要です。

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